会社内で就業規則を整えようと思っても、就業規則についてよく分からないと作成できません。
古い就業規則の内容を現在の事情に合わせて変えようと思っても、何から着手すべきか、どこを整えるべきか分からなくなってしまいます。
就業規則を作成したい。内容の見直しを行いたい。
こんなときは、まずは就業規則の基礎について知ることをおすすめします。
この記事では、
- 就業規則とは何か?
- どんなときに必要になるのか?
- 就業規則に関するよくある質問
など基本的な内容を分かりやすく説明します。
就業規則とは?どんな時に必要になるのか
まずは就業規則の基本的なポイントについてお話しします。
就業規則とは何か。そして作成の際に何が必要になるのか。
以上のポイントについて順番に説明します。
就業規則とは社内の就業ルールのこと
就業規則とは、労働時間や賃金などの職場の労働条件や服務規律などを従業員に明確に分かるかたちで、
- 文書化したもの
- 具体的に定めたもの
のことです。
就業規則はトラブル防止のために必要
従業員に働いてもらうためにはさまざまなルールを定めなければいけません。
就業時間や休日、休憩時間などの基本的なルールを定めていないと従業員が戸惑ってしまいますし、社内が「何時まで働けばいいの?」「休憩は何時まで?」と混乱します。
加えて経営者側と従業員側でトラブルになってしまうことでしょう。
- 従業員と事業者が就業時の指針にするため
- 就業に関するトラブルを防止するため
- 就業関連のトラブルになったときの解決のため
就業規則は重要です。
事業場によっては就業規則の作成が義務
一定規模の事業場は就業規則を作成しなければいけません。
就業規則を作成しなければならない場合、就業規則の作成は義務になります。
パートタイマー等を含め常時10人以上の労働者を使用する事業場じゃ就業規則を作成しなければいけません。
作成義務のない事業場についても、就労時のルールを明確化するため、そしてトラブル防止のためにも、就業規則をしっかり整えておくことをおすすめします。
作成した就業規則は届出と周知が必要
就業規則を作成したら届出や周知が必要です。
就業規則を作成したときは労働基準監督署長に届出します。
本社がある場合は、条件を満たすことで本社が支店分の就業規則を一括して届出できます。
届出については労働基準法89条と90条に定められていますので、作成時はよく確認しておきましょう。
作成した就業規則は従業員・社内に周知しなければいけません。
これも労働基準法106条に定められています。
周知の方法には、
- 各労働者への配布
- 社内の見やすい場所への掲示
- 確認しやすい場所への備え付け
などがあります。
就業規則についてのよくある質問
就業規則に関するよくある疑問と回答についてまとめました。
質問①就業規則には何を書くべき?記載内容は?
就業規則には就業に関する基本的なルールを記載します。
記載内容には絶対的記載内容と相対的記載内容があります。
基本的な記載内容は厚生労働省のホームページで確認できますので、参考にしてください。
引用:就業規則(厚生労働省)
質問②他社の就業規則をコピペして使っても大丈夫?
他社の就業規則を参考にする分には問題ありません。
ただ、コピペは基本的にNGです。
なぜNGかと言うと、他社と自社は違うからです。
労働に関する考え方も違えば事業内容なども違います。
就業規則は自社に合わせて作成する必要があるため、他社の就業規則のコピペは原則としてNGです。
質問③就業規則はなぜ周知しなければならないの?
就業規則の周知は義務です。
なぜ周知が義務になっているかというと、従業員の方で就業規則を把握していないと守りようがないからです。
また、知らないのに「社内ではこんなルールがある」「こんな効力がある」と言われるのは、従業員側にとっては不意打ちになり、不利益を被る可能性があります。
就業規則が効力を生じるためには従業員に周知することが必須です。
周知していない場合は無効になります。
なお、就業規則の届出や周知の義務に違反すると罰則の対象になる可能性があります。
- 届出をしていない:30万円以下の罰金
- 従業員に周知していない:30万円以下の罰金
就業規則の作成や届出をしていても、社内での周知を忘れているようなケースは意外と少なくありません。
周知も義務になっており、違反には罰則もある。
この点に注意してください。
質問④常時10人の事業所とは?数え方とは?
常時10人以上の従業員がいる事業場は、
- 就業規則の作成
- 就業規則の届出
- 就業規則の周知
を行わなければいけません。
この従業員10人とは、どのような社員が10人以上いることを指すのでしょう。
正社員でしょうか?
これについては雇用形態に係わらず常時10人以上いるかによって判断されます。
パート、正社員、アルバイト。どのような雇用形態かに関わらず合計で10人以上いれば就業規則の作成や届出、周知が必要です。
質問⑤時短勤務の従業員だけでも就業規則は必要?
時短勤務の従業員ばかりでも、従業員が常時10人以上いる場合は就業規則を作成しなければいけません。
時短かフルタイムかは関係ありません。
なお、注意したいのは、従業員を数えるときの単位は法人単位ではなく事業場単位だという点です。
法人全体で10人以上ではなく、事業者ごとに10人以上いるかどうかで判断します。
人数の数え方で分からないことがあれば社労士に相談してみましょう。
質問⑥就業規則の内容に不備があったらどうなる?
就業規則の記載内容などの不備があっても即無効になるわけではありません。
就業規則に不備があっても要件を満たしている部分については有効です。
なお、不備部分に関しては労働基準法違反になる可能性があります。
質問⑦就業規則はどのくらいの頻度で見直すべき?
就業規則を作成しても放置していては、現在の働き方や会社内の実情に合わなくなってしまいます。
就業規則を作成した後は、定期的に見直し、必要であれば変更することが重要です。
では、どのくらいの頻度で見直し/変更する必要があるのかが問題になります。
就業規則をどのタイミングで見直すべきか迷ったら、法改正や社内体制の変更の都度、見直すことをおすすめします。
まとめ
就業規則は事業者と従業員の就業の指針になるものです。
就業規則の作成が義務付けられている事業者だけでなく、義務のない事業者についても、トラブル防止や助成金のスムーズな申請のため、作成しておくことをおすすめします。
また、作成して放置するのではなく、事業者の状況や現状に合わせてこまめに内容の見直しを行うこと、整えてゆくことが重要です。
大澤税理士社労士行政書士事務所は就業規則や助成金のことなど、幅広い労務のお悩み解決をサポートしています。
就業規則のことでお困りなら、お気軽にご相談ください。

