働き方改革推進支援助成金とは?コースや事例を解説
「働き方改革推進支援助成金」は厚生労働省の行っている助成金です。
働き方改革推進支援助成金は助成金の名前通り、働き方改革の問題改善のために使える助成金になっています。
この記事では働き方改革推進支援助成金とはどのような補助金なのか、コースや活用事例について解説します。
働き方改革推進支援助成金とは?4つのコース
「働き方改革推進支援助成金」とは、企業の働き方改革の推進や社内制度の導入、取り組みに対して実施されている助成金です。助成金の管轄は厚生労働省になります。
コースは全部で4つあり、自社に合ったコースを選んで申請することになります。
- 労働時間短縮・年休促進支援コース
- 勤務間インターバル導入コース
- 業種別課題対応コース
- 団体推進コース
労働時間短縮・年休促進支援コース
働き方改革推進支援助成金の「労働時間短縮・年休促進支援コース」は、労働時間を減らしたいときや有給休暇の計画的な取得など、働く時間・お休みに関して見直したいときに申請できるコースです。
具体的には次のようなケースでの申請が考えられます。
- 時間外労働を減らしたい
- 休日労働を減らしたい
- 年次有給休暇を計画的に付与したい、そのための制度を導入したい
- 時間単位の年次有給休暇制を導入したい
- 新たな特別休暇の導入したい
労働時間短縮・年休促進支援コースの助成金の額は最大で150万円です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120692.html
勤務間インターバル導入コース
働き方改革推進支援助成金の中でも勤務中の休息時間に関するコースが「勤務間インターバル導入コース」です。
- 時間外労働の実態が月45時間を超えている
- 9時間以上のインターバルが確保できていない
- 今後も9時間以上のインターバルが確保できないと予想される
このように仕事中にインターバルを設ける場合に申請でき、従業員の過労や仕事と健康のバランスを取ることに使えるコースになります。
勤務間インターバル導入コースの助成金の額は最大で120万円です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000150891.html
業種別課題対応コース
働き方改革推進支援助成金の「業種別課題対応コース」は特定の業種のみ申請できるコースです。
業種別課題対応コースを申請できるのは次のような業種です。
- 建設業
- 運送業
- 病院等
- 砂糖製造業
- 情報通信業
- 宿泊業
特定の業種がその業種に合った働き方を改善したいときに役立つのが業種別課題対応コースです。
たとえば、病院が「業務を効率化したいから、IT化を進めたい」「労働環境を改善するための設備投資をしたい」と考えていたとします。また、建設業の会社が「時間外労働の上限規制に対応したい」と思っていました。
このようなケースでは業種別課題対応コースの申請が考えられます。
働き方改革推進支援助成金の業種別課題対応コースの金額は最大で250万円です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120692_00001.html
団体推進コース
働き方改革推進支援助成金の「団体推進コース」は事業主団体の傘下になっている中小企業が申請できます。
事業主団体とは、協同組合のことです。
たとえば、協同組合の傘下になっている小規模の会社が「時間外労働の時間を削減したい」「労働環境をより良いものにしたい」と考えていたとします。
協同組合は事業主団体ですから、この会社は団体推進コースの申請が考えられるわけです。
団体推進コースの助成額は最大で500万円ですが、事業主団体の所在地が複数の都道府県/市町村にまたがっている場合は最大額が1,000万円になります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000200273.html
働き方改革推進支援助成金の受給要件
働き方改革推進支援助成金を受給したいときは、支給の対象になる要件をクリアしなければいけません。
クリアしなければならないのは次のような要件です。
- コースごとに支給対象となり取り組みを実施しなければならない
- コースごとの成果目標を達成しなければならない
- 申請対象になる中小事業者である
働き方改革推進支援助成金は労働時間改善や働き方改善のための助成なので、「お金を受け取ったら何に使っても大丈夫」というわけではありません。4つのコースごとに具体的な取り組みを打ち出し、実施する必要があります。
加えて、コースごとに目標を立て、達成しなければいけません。働き方改革推進支援助成金は助成金の目的や具体的な取り組み、達成すべき目標に沿って使う必要があります。
働き方改革推進支援助成金の成果目標や取り組みについてはかなり細かく定められていますので、確認も含めて社会保険労務士に相談することをおすすめします。
働き方改革推進支援助成金の活用事例
働き方改革推進支援助成金の活用事例を2つご紹介します。
ケース①運送業の会社の助成金活用事例
運送業の会社は従業員の勤怠管理や労働時間の把握、運行記録の把握に悩んでいました。従業員本人や会社側がしっかり管理していました。しかし、基本はアナログ管理だったので、情報の記録や把握に時間と労力がかかる状況です。勤怠管理や労働時間の把握、運行記録の把握のために業務量や労働時間が増えていました。
この運送業の会社は働き方改革推進支援助成金を活用し、自社にデジタコ(デジタル式の運行記録計)を導入し、勤怠管理や労働時間の把握、運行記録の把握に必要な業務/時間を削減しました。
働き方改革推進支援助成金を使って社内の働き方を改善した事例です。
申請したのは働き方改革推進支援助成金の業種別課題対応コースです。
ケース②小売業の会社の助成金活用事例
小売業の会社が業務の効率の悪さや労働時間を改善するために、働き方改革推進支援助成金を使って自動釣銭機を導入した事例です。
小売業のこの会社は手でレジ打ちしていました。結果、消費税(軽減税率)の計算ミスや打ち間違いが多発しており、レジの締めや売上の計算に影響が出ている状況でした。レジのミスにより従業員の業務が増えてしまい、労働時間も長くなっていました。
こういった状況を改善するために働き方改革推進支援助成金の勤務間インターバル導入コースを申請し、有効活用しました。
まとめ
働き方改革推進支援助成金は労働時間や有休など、会社をより働きやすい場へと改善するための助成金です。
働き方改革推進支援助成金には4つのコースがあり、会社の状況や導入したい制度などに合わせたコースを選んで申請することになります。
働き方改革推進支援助成金の難しさは、「会社に合ったコースを選ぶこと」「コースごとに申請の要件を満たすこと」です。助成金を申請したいと思っても、コース選びや要件のところで挫折することも珍しくありません。さらに申請手続きの準備となると、かなり時間も労力もかかります。
当事務所では助成金の申請を社会保険労務士が徹底してサポートいたします。
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