福井県福井市で社会保険労務士・行政書士・税理士をしている大澤義人です。
早速ですが、給与計算を誰かにお願いするとして、
誰にお願いすればいいのかわからないという相談を受けることがあります。
まずは、給与計算の流れから再度整理してみたいと思います。
1.日々の勤怠管理
2.締め日後勤怠集計
3.支給する給与の計算
①支給する基本給、手当等に変動がないか
②時間外手当、深夜手当、休日出勤手当、法定休日出勤手当の計算
4.控除項目の計算
①遅刻、早退、欠勤等控除額の計算
②社会保険料の計算(健康保険、介護保険、子ども・子育て支援金、厚生年金保険)
③雇用保険の計算
④源泉所得税の計算(年末調整時の還付金・徴収金を含む)
⑤住民税の計算
⑥その他労使協定により差し引くものとしている項目の計算(親睦会費など)
5.振込金額の確定後、給与振込
大体このような流れになりますが、給与計算の前提として、
6.従業員さんとの間で会社がどのような労働契約を結んでいるのか、
7.また、そもそも就業規則では、その他の労働条件がどのように決まっているのか、
ということが極めて大事になります。
これがないことには労働時間、休日などがわからないため、給与計算が出来ません。
さらに、給与計算のデータにより、国・地方団体に作成して提出・申告を行うべき仕事として、
8.社会保険算定基礎届(年金事務所へ提出)
毎年4月〜6月に支払われた給与を年金事務所に報告し、
毎年9月から改定される社会保険料計算の基礎となります。
9.社会保険月額変更届(年金事務所へ提出)
固定的賃金に変動があり、17日以上の賃金支払いがあり、
3カ月平均で社会保険の等級が2等級以上上がる場合に、
年金事務所に、変更後4カ月目に変更届を提出します。
10.労働保険料申告(労働局提出)
労災保険、雇用保険の保険料を前年の4月〜当年3月までの賃金総額を基に計算します。
11.年末調整(年間の従業員の所得税計算)
12.法定調書合計表(税務署へ提出)
総支払給与、源泉所得税額の総額等を集計して、
他の法定調書と一緒に税務署に提出します。
13.給与支払報告書(市町村へ提出)
各社員の年末調整の結果を市町村へ給与支払報告書の形式で提出します。
市町村はこれを元に、住民税を計算して会社に特別徴収する住民税額を通知します。
以上が給与を基にした国等への報告・提出する仕事となります。
これら1〜13まで色分けしましたが、
赤色→社会保険労務士の専門分野
青色→税理士の専門分野
になります。
給与計算と一口にいっても、支給額の計算には、
様々な法令が関わり、支給額を確定させることになります。
また、それぞれの法令が社会保険労務士と税理士で専門が分かれていることで、
より複雑になってしまっています。
※1〜4までの仕事のうち、社会保険労務士の専門分野としている部分であっても、
独占業務ではないため、税理士が計算することは可能です。
ややこしいのは、給与計算のデータを基に計算される
年末調整業務は税理士の独占業務となり、社会保険労務士は出来ません。
また、逆に労働保険の申告書作成は社会保険労務士の独占業務となり、税理士は出来ません。
そのため、給与計算を社会保険労務士に委託している場合、
年末調整だけは税理士に委託せざるを得ないため12月に行われる年末調整の時、
社会保険労務士・税理士間でデータのやり取りが生じ、非常にややこしくなります。
ここまで来たら、何が言いたいかは皆さんはお分かりだと思います。
給与計算を任せるなら、社会保険労務士・税理士を両方している事務所に任せるのが、
一番手間がかからない可能性が高いということです。
皆さんは誰に給与計算を委託されていますか?





