業務改善助成金とは?
業務改善助成金とは、「事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を50円以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、その設備投資等にかかった費用の一部を助成する制度」です。
厚生労働省の助成金の一種になります。

引用・参考:令和8年度業務改善助成金のご案内(厚生労働省)
業務改善助成金をはじめとした厚生労働省の助成金は内容や申請条件などが毎年見直しされます。
2026年(令和8年)分についても内容・条件に一部見直しがありました。
業務改善助成金の助成対象や条件
業務改善助成金の助成対象や申請条件、申請の流れについて整理します。
業務改善助成金の助成対象/申請条件
業務改善助成金の助成対象になるのは、
- 最低賃金を50円以上引き上げた
- 生産性を向上させるための設備投資を行った
中小企業や小規模事業者です。
助成を受ける上で事業者内の最低賃金が、令和8年度地域別最低賃金未満であることや、解雇や賃下げなど不交付事由に該当しないことも条件になります。
なお、大企業と密接な関係を有する企業(みなし大企業)は助成対象外です。
以上の条件を満たしている事業者は「最低賃金の引き上げ計画」「設備投資計画」を立てた上で、事業所ごとに申請します。事務所と工場がある場合、事務所と工場はそれぞれ別々に申請手続きをするということです。
業務改善助成金の助成額
業務改善助成金の助成額は最大で600万円になっています。
賃金の引き上げ額や、賃金を引き上げる労働者数などによって助成額は異なります。

引用:令和8年度業務改善助成金のご案内(厚生労働省)
業務改善助成金の申請の流れ
業務改善助成金の申請の流れは次のようになっています。
- 交付申請(事前申請)
- 助成金の交付決定
- 計画の沿った設備投資や賃上げの実施
- 設備投資や賃上げの実績を報告
- 業務改善助成金の支給
業務改善助成金の申請では事前申請が必須になっています。
【令和8年】業務改善助成金の改正について
業務改善助成金の令和7年→令和8年の見直しについては、全体的に助成金の条件の厳格化や申請条件の引き上げが行われています。令和7年の情報を参考に手続きすると助成金の対象にならない可能性がありますので、注意してください。
なお、令和8年分と令和7年分で何が違うのか比較した上で把握したい場合や基本を知りたい場合は令和7年分の情報も参考になります。
当事務所でも過去の情報をベースにした記事を公開していますので、参考としてご覧いただければと思います。
業務改善助成金の令和8年改正は次の通りです。
賃上げが30円→50円に改正された
令和7年の業務改善助成金では30円の賃上げでも助成対象になっていました。
しかし、令和8年の見直しで、賃上げの額が最低30円から50円に引き上げになりました。
30円や40円、45円など、改正前は申請できていた金額での申請はできなくなっていますので、注意する必要があります。
自動車が助成対象外になる
業務改善助成金では自動車が特例扱いで認められていました。
令和8年の改正で、自動車は助成対象外になりました。
なお、特種用途自動車は例外となります。
自動車以外では、パソコンやスマートフォン、タブレットなども対象外です。
ただし特例事業者(物価高騰などにより利益率が大きく低下した事業者)については、新規購入に限って例外的に申請対象になる可能性があります。
助成率の基準が変更される
令和8年の業務改善助成金の改正では助成率の基準が変更されています。
改正前の助成率の基準は1,000円でしたが、改正後の基準は1,050円です。
引用:令和8年度業務改善助成金のご案内(厚生労働省)
賃金を引き上げる対象労働者
引き上げる対象労働者にも変更があります。
令和8年の業務改善助成金では、雇用保険被保険者が対象になりました。
設備投資計画の相見積もり
税抜き10万円を超える契約については原則的に相見積もりが必要になります。
相見積もりの取得に時間がかかりそうなときは、早めに話を進めておくことが重要です。
業務改善助成金(令和8年改正)の注意点
令和8年分の業務改善助成金の申請で注意したいポイントを確認します。
注意点①申請手順が難解である
業務改善助成金の申請では、まずは交付申請を行い、それから助成金の交付が決定します。
その後に設備投資や賃上げを行い、実績を報告します。実績報告後に助成金が支給されるという流れです。
申請手順を見ていただくと分かりますが、経営者や自社スタッフだけで行うには申請手順が複雑になっています。申請手順をミスしたり、必要な手順を行わなかったりすると、助成金の支給を受けられませんので注意してください。
業務改善助成金など厚生労働省の助成金申請は社会保険労務士に依頼可能です。
業務改善助成金は申請条件や申請の流れが複雑になっています。さらに、準備すべき書類や設備投資・賃上げ計画の検討もかなり複雑です。一連の手続きでミスしないためにも、業務改善助成金の申請は社労士に依頼することをおすすめします。
注意点②助成金の申請期限を間違えない
令和8年の業務改善助成金の申請期限/スケジュールは次のようになっています。
引用:令和8年度業務改善助成金のご案内(厚生労働省)
令和8年の業務改善助成金の申請期限は前年度までの申請期限より短くなっています。
申請期間は令和8年(2026年)の9月1日からスタートで、締め切りは地域別最低賃金発効日の前日と11月30日のいずれか早い日です。
最低賃金の改定は10月の初め頃に行われることが多いため、申請に使える期間は1カ月くらいしかない可能性があります。
令和8年の9月に入ってから業務改善助成金の申請準備を始めては間に合わない可能性があると考えられます。
令和8年の業務改善助成金の申請期間はかなり短いと考え、7月など早めに社労士に相談し、申請準備を進めておくことが注意点です。
まとめ
業務改善助成金の令和8年改正について主な内容を取り上げました。
記事内でご紹介した以外にも業務改善助成金の申請時は細かなポイントを抑えておく必要があります。また、申請期間が非常に短くなっていますので、早めにミスなく準備を進めておくことが重要になります。
当事務所は業務改善助成金の申請を承っています。
令和8年の改正内容を踏まえた上での業務改善助成金の申請なら、大澤税理士社労士行政書士事務所にご相談ください。

