令和8年度のキャリアップ助成金について解説
キャリアップ助成金とは?
キャリアアップ助成金とは「有期雇用労働者や短時間労働者、派遣労働者といった非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員転換、処遇改善の取組を実施した事業主に対しての助成金」です。
厚生労働省が行っている助成金の一種で、
- 労働者の意欲や能力を向上させること
- 事業の生産性を高めること
- 優秀な人材を確保すること
を目的に行われています。
引用・参考:キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)(厚生労働省)
参考:キャリアアップ助成金のご案内(令和8年4月8日)(厚生労働省)
これはキャリアアップ助成金に限った話ではありませんが、厚生労働省の助成金は基本的に毎年申請条件や助成の内容が見直しされます。
同じ名前の助成金でも令和7年の申請内容と令和8年の申請内容では違っていることが多く、前年の申請条件/助成内容を参考に申請してしまうと、助成金の申請が通らないということも考えられます。
したがって、助成金を申請するときは、申請する年度の情報を確認した上で手続きの準備をすることが基本です。
令和8年キャリアアップ助成金の申請を検討している事業者の担当者や経営者の方は、令和8年/2026年の情報を参考にしてください。
なお、助成金の内容を大まかに把握したいという場合は前年までの情報も参考になります。
大まかな内容や申請のメリット、注意点などは過去の記事も参考にしていただければと思います。
キャリアアップ助成金とは?使える6つの場面(コース)や申請方
【令和8年度】キャリアップ助成金
キャリアアップ助成金は大きく2つのコースに分かれます。
大きな2つのコースがさらに2つ、そしてさらに4つのコースに分かれています。
【正社員化支援】
- 正社員化コース:有期雇用労働者や短時間労働者を正社員にした
- 障害者正社員化コース:障害のある有期雇用労働者等の方を正社員にした
【処遇改善支援】
- 賃金規定等改定コース:有期雇用労働者等の賃金規定等をアップさせた
- 賃金規定等共通化コース:有期雇用労働者等と正規雇用労働者との賃金規定を共通にした
- 賞与・退職金制度導入コース:有期雇用労働者等に賞与や退職金を導入した
- 短時間労働者労働時間延長支援コース:①と②の際に申請できる
- 有期雇用労働者等が社会保険の被保険者となったときに手当支給・賃上げ・労働時間延長を行った
- 有期雇用労働者等の労働時間を延長して新しく社会保険の被保険者にした
事業者の状況や目的、計画に合わせて6つのコースを使い分ける仕組みです。
申請できるのは民間の事業者(中小企業)や医療法人、NPO法人、公益法人、社会福祉法人などです。
キャリアアップ助成金は大企業も申請できますが、大企業と中小企業を比較すると、中業企業の方が手厚い助成になっています。
キャリアップ助成金の助成額はコースごとに異なります。
助成額について厚生労働省の表を引用しますので、希望するコースの助成額/内容を参考にしてください。
なお、表の緑は大企業の助成額、黄色は中小企業の助成額です。
引用:キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)(厚生労働省)
【正社員化コース】

【障害者正社員化コース】

【賃金規定等改定コース】

【賃金規定等共通化コース】

【賞与・退職金制度導入コース】
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【短時間労働者労働時間延長支援コース】

【令和8年度】キャリアップ助成金の変更点
令和8年のキャリアアップ助成金の申請でポイントになる変更点を順番に説明します。
① 正社員化コースでは情報公開により加算あり
キャリアップ助成金の中の正社員化コースに「情報公開による加算」が設けられました。
正社員化コースでは、「正規雇用労働者等への転換等に係る所定の情報」について、
- 自ら管理するウェブサイト(会社のホームページなど)
- 厚生労働省が運営する職場情報総合サイト(しょくばらぼ)
のどちらかで公開した場合、助成額に20万円加算される仕組みになりました。
この情報公開による加算は1事業所1回のみです。
加算のために公開を要する情報は、転換制度の概要や直近3年の転換実績、転換までに要した期間、転換の最短期間などです。
このように情報公開によって助成額に上乗せがありますので、自社ホームページやしょくばらぼで該当情報の公開を検討しても良いかもしれません。
② 助成金の支給対象者の範囲見直し
キャリアップ助成金の支給対象になる労働者の範囲が見直しされました。
キャリアップ助成金は有期雇用労働者や短時間労働者、派遣労働者といった非正規雇用労働者の方のキャリアップを助成するための制度なので、新卒採用者で雇い入れから1年未満の従業員は原則として対象者に含まれません。
令和8年のキャリアップ助成金を申請するときは、対象になる従業員の範囲を確認しておきましょう。
③ キャリアップ計画が提出制に変更
キャリアップ助成金の申請ではキャリアップ計画の提出が必要です。
このキャリアップ計画ですが、「労働局長による事前の認定が必要である」というルールでした。
今回はこのルールが変更され、キャリアップ計画は「提出」でよいことになりました。
提出のみで速やかにキャリアップ計画に着手、実行できるということです。
④ 賃金規定等改定コースの見直しと加算
令和8年のキャリアップ助成金では賃金規定等改定コースの見直しが行われました。
主な見直しのポイントは「助成額」や「昇給制度を設けることによる加算」です。
賃金規定等改定コースの申請には3%以上の基本給の引き上げが必要です。
仮に中小企業が申請する場合、引き上げ率と1人あたりの助成額は次のようになります。
- 3%以上4%未満:4万円
- 4%以上5%未満:5万円
- 5%以上6%未満:5万円
- 6%以上:7万円
賃金規定等改定コースでは有期雇用労働者等の昇給制度を新たに設けることで助成額の上乗せを受けられます。
上乗せの額は中小企業で20万円、大企業で15万円です。
まとめ
令和8年のキャリアップ助成金の内容やコース、変更内容について説明しました。
令和8年キャリアップ助成金は賃金規定等改定コースや正社員化コースの見直しが行われた他、キャリアップ計画の提出手続きなどに変更があります。これから令和8年分の申請を行う場合は変更点を踏まえ、いまいちどキャリアップ助成金の内容や申請条件を確認しておきましょう。
キャリアップ助成金など厚生労働省の助成金は内容や申請条件がかなり細かく、自社ではスムーズに申請できないと困ることが少なくありません。
自社で変更点を把握しても「では、何から始めればいいのか?」で戸惑うことが多いと言えます。
そのため、キャリアップ助成金をスムーズに申請したいときは社労士に相談することをおすすめします。
キャリアップ助成金の申請なら、大澤税理士社労士行政書士事務所にご相談ください。

